剣道の防具には使用に伴って形が付いてきますが、ポイントを絞って意識することでより一層立ち姿を美しくすることができます。ただし、安全性や実用性を無視したクセ付けは防具としての機能を損なってしまいますから、あくまでもそれらを念頭においてお手入れをするようにしましょう。
面のクセ付け
面は最も立ち姿や相手に与える印象に影響する防具です。面垂が富士山の裾野のように自然に広がっていると美しいですね。形を付ける際は以下のポイントに注意するようにしましょう。
顎(突き垂)と面垂の間に間隔が大きく開かないようにしましょう
→突きが外れたときに首周りが守られます
曲げる角度を付けすぎたり、上に向かって跳ね上がるようになったりしないようにしましょう
→肩が面垂で覆えていないと打突が外れたときに危険です
甲手のクセ付け
甲手布団(腕を守る部分)は意識していないと徐々に入り口側が広がってしまいます。甲手を着ける前としまう際に布団のラインが平行になるように整えましょう。
垂のクセ付け
垂のクセ付けは主に大垂を外側に曲げるものとなります。これが内側に曲がっていると体にまとわりつくようになって足さばきの妨げになってしまうほか、体との隙間がなくなり打突が外れた際に衝撃がそのまま体に伝わってしまいます。
ただし、外側に曲げる度合いが大きすぎると全体で見た時に不自然になりますから、あくまで自然にクセ付けるようにしましょう。
また、段飾りの部分を外向きにクセ付けることによって体を大きく見せることができ、立ち姿の印象が良くなります。
まとめ
稽古を重ねていくと防具の形にも興味が出てきます。しかし、「流行っているから」とか「複雑に曲がっている方が良い気がするから」というような理由だけでクセ付けをしてしまうと。実用性が損なわれたり防具の傷みにつながったりします。
ここで紹介した形の付け方はあくまで一例ですが、基本を理解して「自分だけの防具」に育てていってください。
この記事がみなさんのお役に立てば幸いです。
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