「打ちきる」とは

剣道を考える

剣道の稽古においては体力や技の鍛錬だけでなく、理論を学ぶことも大切です。
技能だけでなく、理論も身に付けてより厚みのある剣道を目指しましょう!

打ちよどみはなぜ望ましくないのか

「打ちきる」の反対は「打ちよどむ」ことです。

自分の打突が打突部位を外れたり、避けられたり、相手に応じ技を打たれそうになったりして動作が途切れ、打突を最後まで出せない場面を経験したことがある人は多いでしょう。

相手が応じ技を繰り出しているのを認識しながらみすみす打たれに行くのはおかしな気がしますが、特に三段までのような修行の早い段階においては自分の技をしっかりと出すことが重要です。

例えば自分が面打ちに出て相手が返し胴を打とうとした場面を想定してみましょう。

「おっと」と胴を打たれないようにとっさに手元を下げる対応をするのが一般的ですが、技を出した際に相手の返しが遅れ、面に竹刀が当たる場合があります。

この場合、打突そのものは当たっていても気力が十分に乗っていないと判断され、有効打突にはならないでしょう。

相手の動きなどを気にしすぎるあまりに100%の打突が出ないとなるとこれほどもったいないことはありません。

「打ちきる剣道ができる人」が状況に応じて構えや打突動作を自在に変化させることは理に適っていますが、まだその段階まで達していない人にとってはまず自分の力を打突に100%乗せるために「打ちきる」ことが必要なのです。

「打ちきる」ためには

「打ちきる」と聞くとどうしても打った後の注意点のように感じますが、実は打ち出す瞬間、あるいはそれ以前から考える必要があります。

「外れるかもしれない」「返されるかもしれない」といった迷いを持たず、捨て身で打突することが必要になります。

そしてそのためにはむやみに打っていけばいいわけではなく、よく相手を観察し、打突の好機を見極めることが重要です。

解答例

以上を踏まえて「『打ちきる』について説明しなさい」への解答例をまとめましょう。

打突の際に「外れるかもしれない」「返されるかもしれない」という迷いが生じると十分な技が出なくなってしまうため、特に修行の早い段階においては捨て身で技を出す姿勢を身に付けることが重要である。

そのため、相手をよく観察し、打突の好機を適切に見極め、全力で技を出す必要があり、これが打ちきるということである。

※学科審査がレポート形式の場合などで本記事の内容をそのまま利用することは剽窃となりますので、ぜひこれを参考にご自分の言葉で考えてみてください!

この記事がみなさんのお役に立てば幸いです。

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