剣道の防具は基本的に水洗いを想定していませんから、道着や袴のように洗うことができません。
そんな中で、特に稽古の頻度が高い学生さんなどは"防具のニオイ"や"肌に触れる部分のベタつき"が気になることが多いと思います。
すでにご自分の防具がそのような状態になってしまっている場合は防具のクリーニングが必要になりますが、ここでは「これから防具をきちんと手入れしながら使っていきたい」という方向けに剣道具のお手入れについて解説します!
稽古の後に
剣道具を快適に使い、長持ちさせるために最も大切なのは稽古直後のお手入れです。
次の各ポイントを心掛けましょう!
汗の拭き取り
面の内輪と甲手の内側の汗を拭き取りましょう。
この部分には大量の汗が吸い込まれます。防具のニオイの原因はほとんどが汗によるものですから、この作業はしっかりやりましょう。
「もうすでに吸い込まれてるんだから拭いたところで効果ないんじゃない?」という疑問もあるかもしれませんが、表面の汗を拭うだけでも稽古の数だけ差が出てきます。
防具を外したらなるべく早く"汗を吸い出すように"拭き取りましょう。
この時汗と一緒に垢も取れますので、ベタつきやカビの発生を防ぐのにも効果的です。
ただし、強くこするような拭き方は布地を傷める可能性があるのでNGです。
使う布は手拭で十分ですが、防具の色が移る可能性があるので手入れ用に古い手拭を用意しておくのがいいでしょう。
甲手の手の内のシワ伸ばし
甲手の手の内には稽古を重ねるとシワができますが、これを放置しておくとそこから革が裂けてしまうことがあります。
紙に折り目を付けて引っ張るとそこから裂けるのと同じですね。
こうなってしまうと修理も大変になりますから、稽古の後には手の内を広げ、シワが伸びるように軽く引っ張ったり揉んだりしてください(冒頭の画像を参考)。
片手10秒くらいのお手入れですが、汗が乾かないうちにしっかりとやっておきましょう。
家に帰ったら
防具の汗が乾くにはそれなりに時間がかかりますから、家に帰ったら防具袋から出し、形を整えて直射日光の当たらない風通しのいい場所に干しましょう。
夏など汗の量が多いときは扇風機などを使うのもおすすめです。
加えて、意外と盲点なのが"紐"です。垂の紐や胴紐などは畳んだままにせず、しっかりと汗が乾くように広げておきましょう。
また、稽古の頻度が高い方などは次の稽古までに汗が乾ききらない、ということもあるでしょうから、吸湿剤などを使うことも効果的です。
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稽古をする前に
稽古後のお手入れは非常に重要ですが、便利な小物を使うなど少しの工夫でお手入れを効率的にできます。
甲手下手袋
これを着けた上で甲手を使うと、汗の大部分を甲手の代わりに吸ってくれるほか垢の付着も防げます。
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休憩などのタイミングで乾いたものに着け替えるとより効果的です。
あご汗取り
面のあごが当たる部分に取り付ける小物で、汗の吸収や垢の付着を防いでくれます。あごが当たる部分がベタベタになってしまった経験のある方も多いと思いますが、これを使うことでそれをかなり防ぐことができます。
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手拭の巻き方
手拭の巻き方は何種類かありますが、耳を覆える巻き方にすることで面の内側に触れる肌の面積が小さくなり、汗や垢の付着を抑えられます。
洗顔なども効果アリ
学校や仕事で一日頑張った後に稽古ということも多いかと思いますが、その時の肌の表面には皮脂やほこりがたくさん付いています。
面を着ける前に、顔や耳の下などを軽く洗うことで面に付着する汚れを抑えることができます。
消臭スプレーの使用にご用心
剣道具のニオイ対策として市販の消臭スプレーなどを使用している方も多いかと思いますが、こちらはあまりおすすめしません。
剣道具には鹿革のような皮革が使われていることが多いですが、スプレーの成分によってはこれらを傷めてしまいます。
手入れのつもりがかえって防具の寿命を縮めていた、なんてことにならないようにしたいですね。
さらに、冒頭でも触れましたが剣道具は基本的に洗うものではありませんので、スプレーの成分がどんどん内部にたまっていってしまい、"防具が重くなる""汗の臭いと混ざって異臭がする""ベタつきが生じる"といったことの原因となる可能性があります。
剣道防具に特化した製品もありますので気になる方はチェックしてみてください。
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まとめ
ここでご紹介したお手入れはいずれも非常に簡単なものですが、組み合わせて行ったり稽古のたびに継続したりすることで絶大な効果を発揮します。
嫌なニオイがなく、さらっとした快適な着け心地の防具は稽古へのモチベーションを高めてくれますから、上達も早くなるかもしれません。
ぜひこまめにお手入れをし、防具を大切にしていってください!
この記事がみなさんのお役に立てば幸いです。
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