切り返しの目的

剣道を考える

初段審査では初めての学科審査に挑戦することになります。
技能だけでなく、理論も身に付けてより厚みのある剣道を目指しましょう!

切り返しの効用

切り返しは剣道の最も基本的な稽古の一つですが、「切り返し十徳」と言われることもあるように、多くの効用が得られることが知られています。

この記事では、その効用を技・体力・気力(心技体)に分けて解説していきます。

切り返しは

  1. 正面打ち
  2. 体当たり
  3. 前進の左右面
  4. 後退の左右面
  5. 正面打ち

という流れですが、これによって剣道の基本的な動きはほぼ網羅できていると言っていいかもしれません。
逆に言えば、稽古を重ねて様々な技を身に付けることによって切り返しをさらに上達させることができるということでもあります。

正面打ち

最も基本的な技と言えます。
体捌きや踏み込みに加え、小手打ちにもつながる真っ直ぐな打突の修錬ができます。

体当たり

効率的な体の移動、姿勢の維持、鍔競合いの理合を学ぶことができます。

前進・後退の左右面

前進・後退に伴う足捌きや、胴打ちにもつながる手首を返した打突の修錬ができます。
「刃筋」や「間合」の理解にもつながりますね。

体力

剣道では稽古をする際「始めから終わりまで気(縁)を切らない」というのが基本的な意識とされます。例えば一本打ちの技であれば最初の攻め合いから最後の残心まで、ひとつながりの動きとして休みなく集中して行うということです。

切り返しは多くの要素(打突)からなりますが、この意識は同様で、特に左右面を打つ際は一息で行うように指導されることが一般的です。

これにより、大きく息を吸って鋭く発声するような呼吸法が身に付き、さらには繰り返し稽古することによって強い体力が身に付きます

それだけでなく、鋭い打突を繰り返すため打突の威力やスピードも向上し、総合的に体力を向上させることができます。

気力

先程も触れたように切り返しは体力的にも高負荷でさらに「気を切らない」ことが求められるわけですが、これを繰り返し稽古することによって高い集中力と強い精神力が身に付きます。

何種類もの技を次々と正確に出すためには集中力が必要であり、キツくても呼吸や気を切らずにいるためには体力があるだけでなく「やりきるぞ」という強い意志が必要だからです。

解答例

以上を踏まえて「『切り返しの目的』を述べなさい」への解答例をまとめましょう。

切り返しは剣道の基本動作が組み合わさった稽古法であり、構え・手の内・体捌き・踏み込み・間合・呼吸法といった様々な要素の修錬をすることができる。

また、このような技・動きの稽古という目的だけでなく、一連の動作を「気を切らずに」連続して行うことによって体力を鍛え、高い集中力や旺盛な気力を養う目的もある。

※学科審査がレポート形式の場合などで本記事の内容をそのまま利用することは剽窃となりますので、ぜひこれを参考にご自分の言葉で考えてみてください!

この記事がみなさんのお役に立てば幸いです。

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