剣道の稽古においては体力や技の鍛錬だけでなく、理論を学ぶことも大切です。
四段以降は「指導者」の位であると言われますから、自分の中で理解するだけでなくそれを教えることができるように技能や理論を身に付け、より厚みのある剣道を目指しましょう!
木刀と竹刀の違い
木刀は主に剣道形を稽古する際に用いられ、その形は反った刀身や卵型の柄など、刀(日本刀)を模しています。
また、木刀を相手の身体に当てるわけにはいきませんから切る動きは全て寸止めになります。
こうしたことから分かるように、木刀はその扱いが竹刀と大きく異なります。
様々な指導がありますが、本記事ではその一例として木刀の操作について解説します。
握り
竹刀は「打つ」動作のために剣先を飛ばすような操作をします。
対して刀は「切る」動作のために対象をとらえてから刃を「引く」ような操作をします。
このため、竹刀では手首を返せるように柔らかくやや斜めに握るのに対して刀はその重さを支えつつ引けるように柄と腕が直角に近くなるような角度で握り、木刀もそれに準じます。
左手の位置
竹刀では左手は「小指半掛け」などと言われ可動域が大きくなるように柄頭を覆うように握ります。
対して日本刀では柄の芯とも言える「なかご」が先端まではなく、竹刀のように握って使うと柄が折れてしまうため左手は柄の先端を余すように握ります。
ここから、木刀を握る際の左手は柄の先端をやや余すように握るのが適切だと考えられます。
振りかぶり
木刀で振りかぶる際には剣先が拳の高さより下がって"寝た"状態にならないよう、45度を目安にして行います。
このとき、左手の小指側の握りが緩んだり崩れたりしないように注意します。
振り下ろし
振り下ろしは振りかぶりからの一連の動作(一拍子)になるように注意し、上から下に真っ直ぐ振り下ろすとき以外も左手が正中線から外れないように操作します。
また、切先(物打)で切る箇所を正確にとらえられるような間合で行い、竹刀よりも刃筋を確認しやすいのでここにも注意します。
解答例
以上を踏まえて「『木刀の正しい操作』について説明しなさい」への解答例をまとめましょう。
- 柄と腕が直角に近くなるような角度で握り、左手は柄の先端をやや余すような位置にする。
- 振りかぶりは左手の握りが崩れないように注意しながら、剣先が拳よりも低くならないように行う。
- 振り下ろしは振りかぶりからの一連の動作となるようにし、左手が正中線から外れないように注意する。
この記事がみなさんのお役に立てば幸いです。
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