三とおりの礼とは

剣道を考える

初段審査では初めての学科審査に挑戦することになります。
技能だけでなく、理論も身に付けてより厚みのある剣道を目指しましょう!

座礼と2種類の立礼

剣道は「礼に始まり礼に終わる」と言われ、礼法が重視されます。
所作の中で最も頻繁かつ重要なのが「礼」ですから、その種類と方法を理解し正しく行いましょう。

座礼

正座した姿勢で行う礼が「座礼(ざれい)」です。稽古の前後などに行うことが多いですね。

所作としては以下の通りです。

背筋を伸ばしたまま上体を倒しつつ、両手を同時に、ハの字の形(親指同士が付くので三角形とも言える)に床につけてその中心に鼻が向くように頭を下げ、一呼吸程度おいてやはり背筋を伸ばしたまま上体を起こしつつ両手を同時に床から離し、元の姿勢に戻る。

手をつく際、前腕全体を床につけることが一般的で、これは組み付かれても体が転がってしまわないようにしたことがルーツにあるようです。

立礼

起立した姿勢で行う礼が「立礼(りつれい)」です。最も多い礼がこれでしょう。

立礼はその角度によって2種類に分けられます。

  • 上体を30度ほど倒して行う礼:
  • 神前や上席に対する礼で、より丁寧でかしこまった礼です。

  • 上体を15度ほど倒して行う礼:
  • 相手に注目し、目付けを離さないことから「目礼(もくれい)」と言われ、試合や稽古の際の礼法として行われます。

目礼については、真剣勝負において相手から目線が外れるのは大変危険なことですから、礼法においても油断なく相手に注目していたことがルーツにあるようです。

座礼にも種類がある

「三とおりの礼」には含まれませんが、座礼にも立礼と同様、角度によって種類があります。

  • 上体を90度倒して行う礼:
  • 神前や上席に対して行う、最も丁寧な礼です。通常「座礼」といえばこれを指します。

  • 上体を50度ほど倒して行う礼:
  • 目付けを離さずに行う礼で、立った状態の目礼と同様に立ち合いなどの際に座礼をする場合に行います。

  • 上体を30度ほど倒して行う礼:
  • 簡単な挨拶としての浅い礼で、立て続けに何人にも挨拶をする際などに行います。

これらの礼はその丁寧さの違いを書道の楷書・行書・草書になぞらえて「楷行草(かいぎょうそう)」または「真行草(しんぎょうそう)」と表現されることがあります。

これらの違いを知り、いずれの礼も心を込めて丁寧に行うことが大切です。

解答例

以上を踏まえて「剣道における『三とおりの礼』について説明しなさい」への解答例をまとめましょう。

三とおりの礼とは座礼と二種類の立礼のことである。

座礼:正座した姿勢で行う礼であり、所作は以下の通り。
背筋を伸ばしたまま上体を倒しつつ、両手を同時に、ハの字の形(親指同士が付くので三角形とも言える)に床につけてその中心に鼻が向くように頭を下げ、一呼吸程度おいてやはり背筋を伸ばしたまま上体を起こしつつ両手を同時に床から離し、元の姿勢に戻る。

立礼:起立した姿勢で行う礼。
上体を15度ほど倒して行う礼は相手に注目し、目付けを離さないことから「目礼(もくれい)」と言われ、試合や稽古の際の礼法として行われる。
上体を30度ほど倒して行う礼は神前や上席に対する礼で、より丁寧な礼法と言える。

なお、いずれの礼法においても心を込めて丁寧に行う。

※学科審査がレポート形式の場合などで本記事の内容をそのまま利用することは剽窃となりますので、ぜひこれを参考にご自分の言葉で考えてみてください!

この記事がみなさんのお役に立てば幸いです。

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