剣道の稽古においては体力や技の鍛錬だけでなく、理論を学ぶことも大切です。
四段以降は「指導者」の位であると言われますから、自分の中で理解するだけでなくそれを教えることができるように技能や理論を身に付け、より厚みのある剣道を目指しましょう!
技術の向上
剣道は人間形成の道であり、単に試合での勝利のみを目指して練習をするというものではありません。
そこで、何をもって「剣道が上達する」と言うのかは様々な考え方が生まれるところです。
通常は技術の向上によって試合で勝てるようになれば上達したということになりますが、剣道はもう少し複雑で深いということです。
しかし、技術面の向上によってより多くの経験が積めたり(勝ち進むことで試合を多く経験できる等)、またはそれを目標に稽古に前向きに取り組めたりするのは当然のことですので、本記事では剣道の"技術向上のための要件"にフォーカスして解説をします。
まずは教えてもらうところから
どんなに優秀な選手でも、最初は指導者から教えてもらうところから始まります。
教えてもらったことを素直に受け入れ、その通りに実践することで「基本」が形作られ、修錬を重ねることによる変化をしていくことができます。
基本をおろそかにした状態で工夫をしていこうとしてもうまくいかないのはどんな分野においても言えることですね。
特に新しいことを教わったときはそれを積極的に実践するなど、いち早く身に付ける心掛けをするのが望ましいですね。
自分なりの工夫
素直な気持ちで指導に従って稽古を重ねていくと、「こういう動きはどうだろう」「自分にはこのやり方が合っているかも」といったアイディアが生まれることがあります。
この段階に入るとひとつの指導のみを実践するのではなく、様々な指導者の指導を組み合わせて考えたり、自分なりの工夫をしたりすることが大切になってきます。
これによってより高いレベルで基本を自分のものにすることができ、応用技の稽古などを行うための重要な材料となります。
反省・研究
ひとつの技を打ち終わったとき、また稽古が終わったときに自分の動きなどを振り返り、反省や次の稽古の目標設定などを行いましょう。
自分の頭の中のイメージと実際の体の動きが違ってしまうことはよくあることで、頭で考えるだけでなく実際の自分の動きを把握した上で工夫をしていくということが上達への近道と言えます。
理論の理解や剣道形の修錬
稽古の中では竹刀の操作についての指導だけでなく、剣道を取り巻く理論や日本剣道形についての指導も多分にあることと思います。
これらは自分の剣道に厚みをもたらし、剣道修錬においてさらなる高みを目指す上で確実に必要になるものですが、技術の向上という点からだけみてもやはり重要なものです。
理論を学ぶことによって長きにわたる剣道の歴史の中で先人たちが積み上げてきた知見を得ることができ、言わば修行を"ショートカット"できるのです。
特に「剣道の理念」や「剣道修錬の心構え」などは一日一日の稽古を大きな目標を持って重ねるために必ず頭に入れておきたいところです。
また、剣道形の修錬によって理合を学ぶことで、絶えず状況の変化する試合に柔軟に対応し、最適な動き方ができる可能性が高まります。
本サイトで解説をしている理論をまとめたページはこちら。
解答例
以上を踏まえて「『剣道が上達するための要件』を述べなさい」への解答例をまとめましょう。
これによって基本が身に付き、工夫し変化していく土台が作り出せる。
そして稽古を重ねるにつれ様々な指導を組み合わせて考えたり自分に適した方法を模索したりし、工夫していく。
ひとつの技を終えたときや稽古の後には反省をし、次の稽古の目標設定につなげてさらなる工夫をする。
さらに剣道を取り巻く理論や日本剣道形をきちんと学び、先人の教えを理解するとともに様々な状況に柔軟に対応できる剣道を身に付けることも重要である。
この記事がみなさんのお役に立てば幸いです。
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