剣道の稽古においては体力や技の鍛錬だけでなく、理論を学ぶことも大切です。
四段以降は「指導者」の位であると言われますから、自分の中で理解するだけでなくそれを教えることができるように技能や理論を身に付け、より厚みのある剣道を目指しましょう!
四つの戒め
剣道は一見竹刀同士のぶつかり合いに見えて本質的には心と心のぶつかり合いです。
修錬の度合いが上がるにつれてこの色合いは強くなりますが、このとき心が動いてしまうと途端に相手に攻め込まれてしまいます。
心と心のぶつかり合いにおいて避けるべき心の動きを説いたのがこの「四戒」という教えです。
以下、個別に意味を確認しましょう。
「驚」
「驚(きょう)」は驚くことを意味します。
相手の気勢や動きが予想外のものであったときなどに、体がとっさに動かなくなってしまうことです。
このような状態に陥ると自分の打突の機会を作ることはおろか相手の打突をかわすこともままならなくなります。
「懼」
「懼(く)」は恐れることを意味します。
相手の攻めや風格に恐れを感じると動きが縮こまり、満足に立ち合うことができなくなります。
「疑」
「疑(ぎ)」は疑うことを意味します。
「さあ勝負だ」という場面で「別の技を打ってくるかもしれない」などと疑いだすと腹が決まらず、思い切った技が出せなくなります。
「惑」
「惑(わく)」は惑うことを意味します。
「こう攻めよう」
「いや、やっぱりこうしようかな」
と迷っていては素早い判断が下せず、絶えず状況が変化する立合いにおいて適切に動くことができなくなります。
解答例
以上を踏まえて「『四戒』について説明しなさい」への解答例をまとめましょう。
「四戒」とは、「驚懼疑惑」の精神状態に陥らないように自らを戒めて修練に取り組むことが重要であるという教えである。
「驚」とは驚くことで、予期しない事態によって心身が乱れてしまうことを表す。
「懼」とは恐れることで、相手やその攻めによって心身の働きが鈍くなってしまうことを表す。
「疑」とは疑うことで、相手の気持ちや行動、それらへの対処の決断がつかないことを表す。
「惑」とは惑うことで、素早い判断や動作をなすことができないことを表す。
「驚」とは驚くことで、予期しない事態によって心身が乱れてしまうことを表す。
「懼」とは恐れることで、相手やその攻めによって心身の働きが鈍くなってしまうことを表す。
「疑」とは疑うことで、相手の気持ちや行動、それらへの対処の決断がつかないことを表す。
「惑」とは惑うことで、素早い判断や動作をなすことができないことを表す。
※学科審査がレポート形式の場合などで本記事の内容をそのまま利用することは剽窃となりますので、ぜひこれを参考にご自分の言葉で考えてみてください!
この記事がみなさんのお役に立てば幸いです。
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