二・三段の技の指導上の留意点

剣道を考える

剣道の稽古においては体力や技の鍛錬だけでなく、理論を学ぶことも大切です。

四段以降は「指導者」の位であると言われますから、自分の中で理解するだけでなくそれを教えることができるように技能や理論を身に付け、より厚みのある剣道を目指しましょう!

二・三段の技

二・三段の技についてはこちらをご覧ください。

指導上の留意点

姿勢

打突に体重を乗せるため、特に二・三段の技ではそれぞれの技を確実に繰り出すために、姿勢は大変重要です。

さらに姿勢が崩れる、特に上体が前のめりになってしまうと起こりとして相手に打突の機先を読まれてしまいますから、「足で打つ」という教えも交えながら指導しましょう。

足捌き

二つ、三つと技をつなげるためには足捌きが重要な役割を果たします。

一つ目の部位を打った次の瞬間には後ろ足の引き付けが終わっていないと素早く次の打突に出ることができませんから、二・三段の技の稽古に際してはここを重点的に指導します。

打突する部位をあらかじめ決めておいて稽古することが多いかと思いますが、実戦的には自分の打突によって相手が変化したところを即座に捉えて柔軟に技を連続させることが必要であり、そのためには一本ごとに体の重心が両足の間にあるような体勢を保っていることが求められます。

その他にも踏み込み、打った後の送り足といった要所要所で最適な足捌きを意識できるように指導しましょう。

振りかぶり

二・三段の技における振りかぶりはひとつ前の打突の反動を活かして行うという特徴があります。

例えば小手→面では、小手を打った反動で竹刀が上がったところをそのまま面の振りかぶりとします。

特に実戦的に小さい振りで行う場合は、余分な振り上げをなくすだけで技のスピードを上げることができますから、手首や肘をしなやかに使って無駄のない振りかぶりをするように指導します。

有効打突

技を稽古する際、一つの到達目標として有用なのが「試合で一本になるか」という基準です。

有効打突は「充実した気勢、適正な姿勢をもって、竹刀の打突部で打突部位を刃筋正しく打突し、残心あるもの」とされています。

これを頭に入れ、構え・発声・間合・刃筋・残心といったそれぞれの要素を一つひとつ向上させていく意識を持つように指導しましょう。

さらに二・三段の技においては「一番最後に打つ技を確実に有効打突にする」という意識のもとで、それ以外の技も有効打突となるように指導するのが望ましいでしょう。

それに加えて、ただ技を連続して出すのではなく、一つひとつの技が次の打突を生み出す"攻め"となるように意識させることも重要です。

解答例

以上を踏まえて「『二・三段の技』について説明し、『指導上の留意点』を述べなさい」への解答例をまとめましょう。

相手の構えに隙がないときや間合が遠いときにいずれかの部位を打って間合いを詰めるとともに相手の構えを崩して次の打突部位を打ったり、自分の打突に相手が反応して構えの崩れたところをすかさず打ったりするのが二段技である。

さらに、二の太刀(二段技)が決まらずともすぐに3本目の打突につなげるのが三段技である。

なお、体当たりによって相手を崩して引き技を打つ場合もある。

指導上の留意点は以下のようなものである。

  1. それぞれの技を確実に力強く繰り出し、起こりを小さくするために背筋を伸ばした正しい姿勢を維持するように指導する。
  2. 相手の変化に柔軟に対応しながら素早く技をつなげるため、足捌き、特に引き付け足について重点的に指導する。
  3. 手首や肘をしなやかに使い、一つ前の打突の反動をそのまま活かし、無駄のない振りかぶりとするように指導する。
  4. 有効打突の要件を頭に入れ、それぞれの要素を一つひとつ向上させるように指導する。
  5. 加えて、最後の打突を確実に有効打突にするという意識のもと、その他の技についても有効打突や相手を崩す攻めとなるように指導する。
※学科審査がレポート形式の場合などで本記事の内容をそのまま利用することは剽窃となりますので、ぜひこれを参考にご自分の言葉で考えてみてください!

この記事がみなさんのお役に立てば幸いです。

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