「打突部位」とは

剣道を考える

初段審査では初めての学科審査に挑戦することになります。
技能だけでなく、理論も身に付けてより厚みのある剣道を目指しましょう!

打突部?打突部位?

有効打突の要件には「打突部」と「打突部位」という2つの言葉が出てきます。
よく似た言葉ですが、表しているものは全く違いますから確認をしましょう。

打突部とは

「打突部」という言葉は、「竹刀の」という言葉とセットで用いられることが多く、竹刀の「物打」を表す言葉です。

厳密には「竹刀の物打を中心とした刃部」とされていますが、簡単に言えば「中結から剣先の間の部分」のことと解釈して問題ないでしょう。

刃部(刃のある方)というのは、そちら側でないと切れませんから当然として、なぜ物打とされているのでしょうか。

これには「刀の理屈」が影響していると考えられます。
日本刀はその切れ味が特徴ですが、剣先に近い部分は「より切りやすい部分」であり、「切先三寸(きっさきさんずん)」ということもあります。

これを竹刀に当てはめることで、剣先に近い部分での打突を有効打突にしようというのは納得できます。

打突部位とは

対して「打突部位」は、「打たれる箇所」の総称です。
剣道においては「面」「小手」「胴」「突き」が該当しそれぞれ「~部」という呼び方をします。
以下、それぞれについて解説します。

面部

正面(頭頂部)および左右面(こめかみから上)

左右面は「こめかみ部以上」とされていますが、面をかぶった状態では分かりにくいので「面金(横金)の上から3本目」を目安にするといいでしょう。

小手部

右小手および左小手

甲手の布団部分が「小手部」とされています。筒(手首部分)や甲手頭への打突は有効打突とはならないということですね。

中段の構えのときの柄頭側の手(通常は左手)以外は左右ともに有効打突となります。
例えば構えを崩して防御した場合、その状態の左小手は有効打突となり得ます。

胴部

右胴および左胴

胴台の中心で「右胴」と「左胴」に分かれますが、通常中心に近い部分への打突は「腹打ち」などと言ってあまり望ましくないとされるようです。

突き部

突き垂

防具の世界では「顎(あご)」と言いますが打突部位を論じる際にはこの言い方が主流です。

また、中学生以下では怪我を防止する観点から突きが禁止されています。

解答例

以上を踏まえて「『打突部位』を書きなさい」への解答例をまとめましょう。

剣道試合・審判規則および細則では

  • 面部:
  • 正面およびこめかみ部以上の左右面

  • 小手部:
  • 甲手の布団部分で、中段の構えの左手(左手が前の場合は右手)を除く右小手および左小手

  • 胴部:
  • 右胴および左胴

  • 突き部:
  • 突き垂

とされている。

※学科審査がレポート形式の場合などで本記事の内容をそのまま利用することは剽窃となりますので、ぜひこれを参考にご自分の言葉で考えてみてください!

この記事がみなさんのお役に立てば幸いです。

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