剣道の稽古においては体力や技の鍛錬だけでなく、理論を学ぶことも大切です。
技能だけでなく、理論も身に付けてより厚みのある剣道を目指しましょう!
強敵!掛り稽古
「掛かり稽古」というワードを耳にして暗い気持ちになるのは多くの剣士が経験することです......(笑)
自ら元立ちの構えを崩すなどして打突の機会を作り、休むことなく打ち込み続けるのが掛り稽古ですが、身体的・精神的負荷は数ある剣道の稽古法の中でも最大級だと言えます。
それゆえ、正しく行えば非常に効果の高い稽古ですが、やり方を間違えると上達の妨げ・怪我・モチベーションの低下などにつながってしまいます。
以下、正しい稽古の準備として、掛り稽古の目的を確認していきましょう。
体力を身に付ける
掛り稽古は打ち込み稽古と異なり、「打突の成否に関わらず打ち込み続ける」という性格を持っています。
打突が十分に出ようと、外れたり避けられたりしようととにかく打ち込むということですね。
これにより打突のテンポは打ち込み稽古以上となり、稽古を重ねることによって強靭な肉体・体力を身に付けることにつながります。
精神力を身に付ける
激しい稽古において、次々に打突を出していくのは大変負荷の大きなことであり、逃げ出してしまいたい気持ちになることもあります。
そのような弱さを抑え、がむしゃらに臨むことによって「あと一歩」の踏ん張りが利く、強い精神力を身に付けることができます。
試合などにおいては「キツい稽古を乗り越えてきたぞ」という自信が積極的な攻めにつながることも考えられます。
ただし、過度の負荷をかけてしまうと心身に重大な悪影響を及ぼすこともあるため、元立ちや指導者は掛かり手の力に合わせて調整することも必要です。
観察眼を鍛える
掛り稽古において元立ちは基本的に打突部位を空けないのが一般的で、掛かり手は構えの崩れないところを崩して打ったり、元立ちが打突を避けようとして空いた部位を打突したりします。
この"元立ちが意図せずに空けた部位"を瞬時に判断し、打突につなげる稽古を重ねることによって、実戦においても相手の動きをよく見て判断を瞬時に下すことができる「眼」を鍛えることができます。
実戦的な技術の向上
掛り稽古においては基本通りの打突をするだけでなく、元立ちの構えを崩したり攻めに対して崩れたところに適切に打突をしたりすることが求められます。
当然難易度はかなり高くなりますが、これらは試合などの実戦に直接活きる技術だと言えます。
こうした技術は地稽古などでも修錬できますが、息つく間もない速いテンポの打ち込みによってより優れた技術を身に付けられることは掛り稽古の特長と言えるでしょう。
解答例
以上を踏まえて「『掛り稽古の目的』を述べなさい」への解答例をまとめましょう。
また、実践的な打突技術を磨き、観察眼を鍛える効果も望める。
これらを身に付けるべく旺盛な気力をもって実践的に修錬するのが掛り稽古の目的と言える。
この記事がみなさんのお役に立てば幸いです。
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